皆さん、はじめまして。福岡県福岡市を拠点に給排水設備工事を手掛けているAグランド工業です。
人が過ごす建物には必ず給排水設備があり、私たちの生活環境を支えています。給排水設備は人間の「血管」として例えられるほど、重要な役割を持ちます。
重要度が高く、最も身近な設備なのですが、どのような役割なのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、意外と知られていない給排水設備について分かりやすくご紹介いたします。ぜひ最後までご一読ください。
■給排水設備とは？基本や重要性を理解しよう！
給排水設備とは、「給水設備」と「排水設備」を合わせた呼び方です。給水設備は建物の中に水を供給するための設備であり、その反対に排水設備は建物から水を排出する設備です。
私たちが生きるためには、水が欠かせません。飲料水としてだけではなく、調理やお風呂、トイレなど様々なシーンで水が使われています。このように水に関係する設備が、給排水設備です。給排水設備に含まれるものは、水道管・排水管、貯水タンク・給水タンク、ガス湯沸かし器、ボイラー、浄化槽、雨樋、スプリンクラー、スノーダクトなどいくつもあります。住宅やマンション、ビル、商業施設など建物には必ず給排水設備が備わっています。
給排水設備は、「血管」に例えられるほど、私たちが生活するうえで非常に重要度が高いものです。血管は酸素と栄養素を体の隅々まで届ける役割を持ち、生きるために必要な器官です。給排水設備も血管のように、必要不可欠な大事な設備と言えるでしょう。
もし給水設備が故障してしまったら、蛇口から出るはずの水が出なくなります。こうなると水が飲めないばかりではなく、手を洗ったり、調理をしたり、お風呂に入ったりといった日常的なことができなくなります。水のトラブルは、日常生活や仕事に大きな影響を与えます。また給水管にサビが出たり、下水道の水が混ざったりすれば、人体への影響は免れません。
排水管のトラブルも深刻です。例えば、排水管のつまりは汚水の逆流や悪臭が発生する原因となります。近隣住民へ影響する可能性もありますし、最悪の場合、細菌による感染にも注意しなければなりません。
給排水設備のトラブルは、生活の質を低下させたり健康被害が生じたりといった深刻な問題につながるのです。安全で快適な暮らしのためにも、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。
■給水設備とは
まずは、給水設備とはどのようなものなのか見ていきましょう。
給水設備は、上水道から飲料水用としての水を住宅や商業施設など建物の中に供給するための設備です。
給水設備には、以下のものが含まれます。
・給水管
給水管とは水道本管から、建物内に水を引き込むための配管のことです。水道本管は道路の下に張り巡らされています。戸建てであれば、水は水道本管から給水管を通り、蛇口の順番で給水されます。給水管は、引込管と呼ばれることもあります。
給水管の径は13mm・16mm・25mmなど様々あり、建物や給水口数、給水圧力などで変わります。老朽化や腐食を防ぐためにも、硬質塩化ビニルやステンレス、水道用ポリエチレン管など耐久性が高い素材で作られています。素材によって違いはありますが、給水管の耐用年数は約20～30年です。
・貯水槽
貯水槽とは、上水道の水を一時的にストックしておくタンクのことです。大量の水を必要とする集合住宅やビルなどに多く設置されます。日常生活以外では、災害時に利用されます。
戸建てであれば必要となる水量が多くないため、水道管から建物内に供給することができます。ですが建物が大きくなるほど、直接水道管から引き込んだ水の量では足りません。また、建物の構造的に高層階では水圧が足りなくなるため、水を使用することができなくなります。
そこで一旦、貯水槽に大量の水を貯め、そこから給水ポンプを使用して各家庭に水を供給するのです。こうすることで、高層階でも問題なく水を使用することができます。
貯水槽は、強化プラスチックやステンレスなどの素材で作られます。耐用年数は約15～20年です。
貯水槽には大きく分けて二つの種類があります。建物によって、設置されるものが異なります。
∟受水槽
受水槽とは、建物の地階もしくは1階に設置される貯水設備のことです。多くの水を必要とする3階以上の建物に設置されることが多いでしょう。
∟高置水槽
高置水槽は、建物の屋上に設置されるものです。4階以上の建物に設置されることが多いでしょう。高架水槽とも呼ばれます。
高置水槽に貯められた水は建物の高低差を利用して、各家庭に供給します。
・給水ポンプ
給水ポンプは、圧力をかけて水を建物内に行き渡らせる設備のことです。
貯水槽に貯めた水は、給水ポンプを使って供給します。素材にもよりますが、給水ポンプの耐用年数は約20年です。
主に3つの種類があり、建物によって設置される給水ポンプが異なります。
∟揚水ポンプ
揚水ポンプとは、受水槽に貯めた水を屋上に設置された高置水槽まで送るための設備です。
マンションやビルなど、大きな建物に設置されます。
前述した通り、高置水槽の水は建物の高低差を利用して各家庭に給水するので、揚水ポンプの役割は水をくみ上げることになります。
∟加圧ポンプ
加圧ポンプは、受水槽の水を各家庭に給水する設備です。小規模、もしくは中規模のマンションで利用されます。
∟増圧ポンプ
増圧ポンプは他のポンプとは違い、貯水槽を利用しません。圧力をかけて水道管から直接各家庭に給水する仕組みだからです。中規模の建物に設置されることが多いでしょう。
貯水槽を置くコスト、そして貯水槽を置くスペースを必要としないというメリットがある反面、災害時には予備の水がないというデメリットが考えられます。
・給湯設備
給湯設備は、台所や浴室、洗面所などで使用するお湯を給水するためのものです。給湯専用ボイラー、循環ポンプ、湯沸かし器などが含まれます。
給湯施設を一つ設置し、それぞれの場所に分ける中央方式と、お湯を使用する場所ごとに設置する局所方式に分けられます。
給湯設備の耐用年数は約7～10年です。
■排水設備とは
次に、排水設備について見ていきましょう。排水設備とは主に台所や浴室などの生活排水、トイレなどで使用された汚水を下水道に流すための配管です。雨水の処理にも利用します。
下水道に流れた汚水は下水処理場に送られます。
排水設備は排水の種類によって、次のように配管が変わります。
・排水管
排水管とは、下水道管まで生活排水や汚水を流す配管のことです。生活排水と汚水は同じ配管に流すことができません。
排水管には必ず、排水トラップという設備が備わっています。排水トラップとは、悪臭やガス、虫などが室内に入らないようにする機能です。排水トラップにはいくつか種類があり、建物や用途によって使い分けられます。
また排水管には、大きく分けて屋内排水管と屋外排水管があります。
屋外排水管には以下のものが含まれます。
∟汚水排水管
汚水排水管は、トイレからの排水を流すものです。
∟雨水排水管
雨水排水管は、雨どいに集まった雨水を流します。
∟雑排水管
雑排水管は台所、浴室、洗面所、洗濯機などの水回りの生活排水を流す配管です。
∟通気管
通気管は、排水管の汚水をスムーズに流すために必要な管です。
なぜ排水管には通気管が必要なのかというと、そもそも排水管の中は、常に水が流れているわけではありません。時には水が流れず、空の状態もあります。排気管の空気圧の変化は、排水の流れ方に影響するので、安定して排水するために通気管が必要となるのです。
また通気管は、排水管の換気という役割も果たします。換気をすることで、排水管の臭いを抑えることができるでしょう。
∟排水槽・排水ポンプ
排水槽と排水ポンプは、排水を下水管に流すために必要な設備です。マンションなビルなどの建物の構造によって、下水管に排水できないことがあります。そこで一時的に、排水槽に貯め、排水ポンプを利用して下水管に排水するのです。
排水槽には、トイレの排水用としての汚水槽、生活排水を貯める雑排水槽があります。
排水ポンプの耐用年数は約7～10年です。
■まとめ
給排水設備とは、給水設備と排水設備の2つを合わせた呼び方です。給水設備の中には、給水管、貯水槽、給水ポンプ、給湯設備といった設備、排水設備には排水管、通気管、排水槽・排水ポンプなどが含まれます。建物によって更に細かく分類されますが、どれも大切な役割を持っています。
人は水がなければ生きていけません。安全な水を供給し、適切に排水する給排水設備は私たちの暮らしにとって重要な役割を果たしているのです。
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